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★女性のカルテ★

しこりがあったら、全て乳がん?
Q.女性雑誌で紹介されていた乳がんの自己検診方法を実際やってみました。そうしたら胸に「しこり」がある気がします……。何だかものすごく不安になってきました。これって乳がん決定ですか?どうすればいいでしょうか?
A.乳がんの啓蒙活動の一環として東京タワーのイルミネーションがピンクに染まったのをご存知でしょうか?乳がんの早期発見・診断・治療の大切さを呼びかけるピンクリボン運動の一つでした。
本誌『女性のカルテ』でも、年間を通して乳がんについての項目を数多く扱っています。しかしながら、実際、自己検診で何か見つかったら、既に乳がんであると決定して良いのでしょうか?
もちろん、病院にいって詳しく検査してもらうことも必要ですが、実はしこりや痛みががあったからといって、全て乳がんというわけではないのです。見つかるしこりの90%以上が、さしあたって治療の必要のない良性のものだという話もあります。
そこで今回は、少し安心して頂くために、「乳がん以外にはどんなものがあるの?」というご質問にお答えしてまいります!
■一番多いのは乳腺症
=乳腺症とは?=
乳腺の良性疾患で、外来受診する乳腺疾患の中で最も頻度の高い症例です。30代~40代の女性によくみられます。
乳がんと何が違うのかというと、顕微鏡で組織を見たときに悪性所見がないのが特徴です。正常乳腺にも同様の変化があることが多く、軽度の乳腺症は、正常の一部分だとも言われています。
=乳腺症の原因=
女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンがありますが、このバランスが崩れてしまい、エストロゲンが過剰になると起こるといわれています。
=乳腺症の症状=
乳腺のしこり、痛み、乳頭分泌などです。左右共に症状が現れることもありますが、片側のみのこともあります。よく、『生理前に痛む』といったことがあります。また乳腺症の分泌物は白い透明なもので、あまり量が多くないことが多いです。
=乳腺症の対処法=
まず、ホルモンバランスを正常に戻すように生活を整えることが一番です。痛みは、ワイヤー入りブラジャーで乳房を固定すると楽になることもあります。食べ物では、脂肪の多い食事やカフェインを控えると症状が楽になることも多いようです。
ストレスを溜めないことも大切。痛みが酷く、日常生活に困るような場合は痛み止めを使用したり、それでも改善されない場合はホルモン療法を行います。
乳腺症は正常の変化が少し強い状態と思って頂ければ良いと思います。また、閉経を迎えるにつれ症状が軽くなることが多いのも特徴です。
■紛らわしい線維腺腫
=線維腺腫とは?=
乳腺の良性腫瘍の中で最も多いのが、線維腺腫です。20~30代の女性に多く見られますが、初潮後の10代の方でもあります。
=線維腺腫の原因=
よくわかっていません。妊娠すると大きくなったり、閉経すると小さくなったりするので、女性ホルモンとの関係が指摘されています。
=線維腺腫の症状=
痛みのないしこりで1~2センチのことが多いです。乳房の中でつるっとしたモノがころころ動きます。腫瘍で良性のものは癒着がないので、つるつる動くことが多いのです。
=線維腺腫の治療=
小さくて明らかに良性なら経過観察。ただ、急激に大きくなることもあるので、乳がんとの区別が難しければ細胞を取って調べます。症状によっては、切除することもあります。
■授乳中に多い乳腺炎
=乳腺炎とは?=
乳房が赤く腫れ上がって痛みます。場合によって熱が出たりすることもあります。出産後早期、乳汁が分泌されるにも関わらず、乳管がしっかり開いていない時期に起こりますが、たまに授乳期以外でも起こることもあります。
=乳腺炎の原因=
大きく分けて2つあります。
ひとつは、出産後、乳汁の通りが悪いため乳汁がうっ滞して起こる『うっ滞性乳腺炎』。
もうひとつは、ばい菌感染(ブドウ球菌が多い)による『急性化膿性乳腺炎』です。これは、授乳により小さな傷ができるため、うっ滞性の後に続くことも多いです。
=乳腺炎の治療=
『うっ滞性乳腺炎』の場合は、とにかく乳汁のうっ滞を取り除くことがポイントです。ですから温めたり、マッサージしたり積極的に授乳するとよくなります。
逆にばい菌による『急性化膿性乳腺炎』の場合は、授乳を中止して、搾乳器などを使って乳汁うっ滞を解消しつつ、乳房を冷やします。さらに抗生物質を内服すると大体1~2週で治ります。たまに、膿を形成している場合には、外科的に治療することもあります。
ひとことに『乳房に異常』といっても原因はさまざま。あまり心配しないで下さいね。
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